第7章 資本を食う豚 ~株式投資の未来~

「たのむから発明を止めてくれ」

一体だれがこのセリフを言ったのでしょうか? ライバル業者でしょうか? 実は業界(会社)の大物の言葉なのです。

一般には、設備投資や研究費による新発明は世間的に良いものだと捉えられています。実際世間的には設備投資をすることや、新発明は良いものです。

ではみんな(企業、投資家、消費者)全員が恩恵に預かれるのでしょうか?決してそうではないという事を、ジュレミーシーゲルの著書「株式投資の未来」では物語っています。

設備投資・発明品による恩恵は消費者にあり(企業・投資家は負け組)

架空の会社、広島紡績会社があるとしましょう。糸を作る生産設備を新たに購入し、大量に糸を生産しようとします。(設備投資)

もし紡績会社が1社だけなら、生産量が増えた分たくさん売れるので、設備投資分は回収できます。しかし世の中には紡績会社がなどたくさん存在するのです。

仮に岡山紡績会社、鳥取紡績会社など○○紡績会社が同様に設備投資に踏み切ったとしましょう。皆々糸を生産して儲けるために、最新の設備に投資します。そうすれば、全国で糸はたくさん生産できるでしょう。

小学校で習う、「豊作貧乏」という言葉を聞いたことがありますか?

具体例として、愛媛県などでミカンがたくさん採れて、例年では10000個取れて1つ40円で売れていたとしましょう。売上は10000個×40円=400000円です。

もし豊作になり20000個取れて価格は半分の20円とします。しかし豊作で2倍取れても、ミカンを食べる個数は2倍にはならないので(なんぼ安くても食べる数には限界がある)、売れるのはせいぜい1.5倍ぐらいの物でしょう。

売上は15000個×20円=30000円です。(収入減)

話を元に戻すと、紡績会社の設備投資により、糸の生産が伸びると販売価格は下がります。その分売れる数にも限界があるので、価格が下がった分だけ販売数が伸びるとは限りません。

ミカンのように豊作貧乏に陥り、企業は、設備投資をした分だけ負担が重くのしかかります。このように皆(全国の紡績会社)が良かれと思いやったこと(設備投資)が、結果として自分(この場合は紡績会社)が苦しむような事態を「合成の誤謬(ごびゅう)」とも言います。

設備投資がたくさん必要なコモディティ企業は、「合成の誤謬」に巻き込まれがち

世の中の設備投資・発明品で、糸の生産量が上がる。インターネットのデータ通信量が2倍になる。などいろいろな発展が見込めるのは間違いありません。

しかし、上記の過程において、消費者は絶対得をします。なぜなら設備投資・新発明における恩恵を受けるからです。上記の例では、ミカンが安く買えましたね。

では設備投資した会社はどうでしょう?皆が同じように設備投資に踏み切ることで、価格は下がり、設備投資分が回収できませんでしたね。減収・もしくは赤字です。

かといって設備投資をしないと、糸の生産量は上がらないのに、周りの設備投資のせいで糸の販売価格は下がるのでじり貧です。

企業が儲からないと、もちろん投資家も儲けが出ません。

このように設備投資・新発明というものは、消費者に恩恵をもたらしこそすれ、企業・投資家には恩恵をもたらさないことがあることを覚悟する必要があるのです。

今回は、下記のジュレミーシーゲル著、第7章[資本を食う豚」を参考にしました。

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