道徳感情論(アダム・スミス)~ 生活と倫理学について

アダム・スミスといえば、公民(現代社会)で出てくる「国富論」(神の見えざる手)が有名ですが、以外にも「道徳感情論」という本については知名度が低いです。

道徳感情論という名前から、「お堅い本かな?」と思ったのですが、案外日常生活に密着した話で親しみが持てるので確認がてらに書いていきます。

【本編】

・人間は楽しい事(快楽)が(悲哀(悲しみ)よりも)良い

結婚式と葬式。。。どっちに行きたいかと言われれば言うまでもないでしょう。もちろん結婚式(楽しそうな方)ですよね。。。楽しい方を味わいたい・共感したいからです。

・富(楽しみ・快楽)と貧困(悲哀)に対するイメージ

もちろん富=お金はあるに越したことがないから便利です。貧困=貧乏は生活に不便です。貧乏は実際上の不便さもさることながら、貧乏はイメージが悪いのです。よってあまり共感してくれません。

人間は社会的動物であり、尊敬・共感されたいものである。だから富を求める

多かれ少なかれ人間は社会的生き物です。そりゃ富がある方が周りのイメージ・社会的地位は良いですよね。(嫉妬されるかもしれませんが)富>貧乏なのは言うまでもないです。

だからこそ収入を得ようと頑張って、富を(生活資金以上に)貯めようとします。見栄を張って富(収入や資産を増やして使う)を増やす。それが社会全体で自己増殖してそれが経済成長の原動力になる。。。そうアダムスミスは考察します。

・幸福と平静とは何か ~食っていけるだけの収入があれば、幸せなのだが~

生活するだけの収入or資産があり、健康で負債が無くやましい事も無い。。。「これ以上の幸福なことがあるだろうか?」とアダムスミスは説いています。

しかしながら、生活するだけの収入が無いというのも悲惨だと説きます。貧困は不便であるばかりでなく、社会的なイメージ(印象)も悪いからです。

つまり社会全体の幸福は、働けるだけの収入が皆にいきわたるのが(生活以上の高収入の人を増やすのではなく、失業者が無くすことが)社会・人々の安定に必要だと書いています。

富と幸福の関係

(P83の図)

スミスはABCDの曲線が人々の平穏な生き方(推奨)だと説いています。ABCE(点線)は間違っている(虚構だ)と。。。

人々の平穏は食べていける収入さえあれば、後は家庭や趣味、平穏を味わうのが良いと書いています。

C→Eの曲線は生活以上の収入を得るためには、どこかで労働時間を増やす・努力をするなど無理を重ねているからです。何がを犠牲にしているという事です。今ある幸福を見過ごして、これ以上働くことに意味はあるのか?そう説いています。

【ひとまず結論】

経済学の学者が、倫理・生活についても考察していて、自身の生活について考えさせられることが多い一冊です。今回は第2章:繁栄を導き人間本性(p70~85)より

出典:アダム・スミス ~「道徳感情論」と「国富論」の世界 堂目卓生著

アダムスミス

図書館などで借りて読んでみるといいですよ。


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